お客様に愛される秘密を全公開中の未来食堂さんの本「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」

*このブログは2017年3月16日に書いたものを、2017年12月26日に追記、更新したものです。

ビジネス書は結構たくさん読んでますが、最近読んだ2冊の本がとても良かったので、今日はそのうちの1冊をご紹介します。

ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由

神田神保町で食堂を営んでいる小林せかいさんのお店「未来食堂」の経営がまるごとわかってしまう本です。

未来食堂 ▶︎ http://miraishokudo.com/

まるごとって本当に全公開です。実際、未来食堂さんのウェブサイトに行けば、事業計画書の原本や月次決済を公開されています。

公開する理由は、「業界を迅速により良く発展させるため」と本書でおっしゃっています。これはご自身がIT業界のエンジニアだった経験からの影響のようです。

文章はとても中性的で、淡々とする中にもお店を丁寧に作り込んできたんだなあと思うところ満載のビジネス本。

小さなビジネスだからこそ参考になる点

わたしがこのブログでいろいろ書くよりも、まずは買って読むことをおすすめしたいのですが、参考になったところをちょっとだけピックアップしておきます。

・新しい働き方”まかない”の仕組み

タスクを細分化し参加しやすいしくみを作ることで参加する負担を極力下げ、結果としてたくさんの労力が集まる仕組み

まかないは、お店を手伝う代わりに1食分の定食が食べられる権利をもらうシステムです。その権利は自分が使うのではなく、未来食堂に来たお客様に譲渡もできる面白い仕組み。

まかないに、「使えない人が来たらどうするか?」という質問がなかなか面白かったです。(53ページから)ここで言うところの「使えない」は、「役に立たない」と言う意味です。

役に立たない人が、お店を手伝うシステム”まかない”を利用したいと言ってきたらどうするのか?と言うことですね。

それに対して、「役に立たない人ほど結果的に学ぶことが多い」と言い切る小林せかいさんの理由と事例には、なるほど!と頷きました。

”まかない”のシステムの合理性や、今までのお店では在りえなかった本のタイトルにもなっている”ただめし”ができる仕組みを知れば知るほど、小林せかいさんて頭いいなあと感心しきりでした。

・何が正しいかはわからない

こうやって日々、予期せぬ事があれば考え対応していますが、このあり方が正しいのかどうか、私にはわかりません。

これは97ページに書いてある言葉です。まだ本の中盤部分なのですが、すべて読み終わった今感じるのは、この一文こそが未来食堂を語っていると思う箇所です。

何が正しいかわからないから、試行錯誤する。その結果、こんな成果が出たよというのを公開して、飲食業界を明るくしようとしている小林さんの潔さはかなり好きです。

ただ1つだけ、食材のこだわりは非公開です。その理由は211ページに書いてありますが、それも「ほおお」と思うような理由です^^

お客様と経営側がしあわせになる仕組み

「おお!」と思ったページには折り目をつけていましたが、折り目だらけ(笑)1つ1つの項目は、どんな業種であってもヒントになると思います。

何か課題や悩みにぶつかった時に、この本をパラパラとめくってヒントを探すという感じ。なので、どんなお店やサービスを提供している人でも、1度は読んでみる価値はあると思います。読み手によって、「おお!」と思う箇所も価値があると思う箇所も違うはず。

お客様と経営側が両方しあわせになる仕組みを真剣に考えた結果、未来食堂という形になったんだなと、読後は未来食堂に行ってみたくてたまらなくなります!

2017年12月19日追記

このブログを書いてから時間が経ってしまいましたが、行って来ました。

うん、なんていうか私が思い描いていた雰囲気とはちょっと違っていました。
「SEが飲食店を経営するとこういう形になるのか」というのが第一印象です。料理は普通に美味しいです。家庭料理そのもので、自炊する人にはあまり新鮮味はないかもだけど、定食屋が少ないのでこういう料理を出す店は希少です。

確かにキッチン内は無駄のないフローで動いています。ただそれが、却って冷たさを感じてしまうのです。店主の性格や雰囲気がそうなのかもしれないし、話題になった時、心ない取材陣に辟易してそうなってしまったのかもしれないし。

機械的に動く店主と「まかないさん」2名。混んでいるであろう12時から13時の時間帯を外したのですが、店内には「緊張感」という空気が漂っていたような。

忙しく働く元気なおばちゃん(あるいはおばあちゃん)がいる昔ながらの定食屋さんの方が、同じ料理もきっともっと美味しく感じただろうなあ、というのが率直な、あくまでも個人的な感想です。

「何が正しいかわからない。」とご著書でも書かれていますし、まだまだ発展途上なのかもしれません。個人店は店主の考え方がそのまま反映されるもの。ぜひ行ってみてください。

ブログ著者

もち月りえ
もち月りえ初心者専門ウェブコンサルタント
東京生まれ下町育ち。
キャリアのない専業主婦からフリーランサーに。主婦の時に楽天フリマで出品しながらマーケティングを独学。「なぜ売れるのか」「なぜ行列なのか」「なぜ買うのか」など女性の購買心理を考えるのが好き。趣味:テニス、SNSで情報収集。